Coop Lights


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Coop Lights

Tea Partners Co., Ltd.の提唱するCoop Lightsとは、知的財産権の著作者に対する権利の保護性と、オープンソースのような知的成果の共有性の共存を目指したライセンスです。
このライセンスは、信頼性あるネット環境の実現に向けて考案したもので、その活動全体の呼称はminimize entropyを捩った新ミネトロパー構想と呼んでいます。

Function

Coop Lightsの重要な機能は、1) 知財の使用権の交換性、2) 提供した知財に対する知的貢献の尺度の可視性、3) 2次著作物の貢献に応じた対価の分配性、4) 蓄積された知的貢献に応じた対価の分配および貢献量の減価、の4つから成ります。以下、それぞれについて説明していきましょう。

1つ目の、知財の使用権の交換性について。昨今、高度に情報化が進み、商品やサービスも複雑化しており、何かしらの商品をつくるのに極めて多くの知的財産が必要とされています。人一人の時間が有限であり、思考できる量にも上限があることを考えると、高度な情報化により扱う情報量が増えるということは、一つの製品をつくるのにより多くの協業や協調体制にて複雑な製品を開発しなければならない状況が増えることを意味するかと思います。その際に、知的財産をお互いに使わせあうような協業がスムーズに行えるよう考案しているのがこの交換性です。交換をスムーズにする方法として、契約の定型化やシステム化が挙げられますが、これは権利関係を解決する手間を格段に減らすと考えています。

2つ目の、提供した知財に対する知的貢献の尺度の可視性について。他者に使わせた知的財産の使用権をポイントのような数値で定量化することで知的貢献を可視化します。このような可視化は、正しい対価を算定する基準として有用と考えていまして、金銭的なトラブルや、権利関係のトラブルの軽減に役に立つと考えています。

3つ目の、2次著作物の貢献に応じた対価の分配性について。これは、フェア・ユースの3つの要素(「抜粋の性質と目的」、「利用された部分の量と価値」、「原作品の売り上げの阻害、利益の減少、または目的の無意味化の度合い」)を考慮した形で、計測可能なメトリクスより、妥当な相対的な知的貢献量を算出し、その知的貢献量に応じてインセンティブを発生させる仕組みにより、1次著作物と2次著作物間の適切な対価を発生させるものです。なお、量的な尺度としてはエントロピー符号化のようなコンパクトな空間における正味の情報量や、ライセンス使用量を重視しますが、前者は既存の類似品でなく新規の知的な貢献を優先的に評価するための尺度であり、後者は使用された数によりどれだけの人に知的な影響を与えたかということを評価するための尺度であります。これは全世界の人類のニューロン数に換算してどの程度の知的な影響を与えたかを測る尺度であるともいえます。このような社会へのインパクトがわかりやすい尺度の指針により経済的な価値を換算することで、インセンティブ分配に役に立つと考えています。

4つ目の、蓄積された知的貢献に応じた対価の分配および貢献量の減価について。通常、知的財産は市場に出てから急速に減価するものであり、また、多くの知的財産には旬というものがあり、知財が価値あるうちに経済活動に利用したほうがよいでしょう。ストックされている知的アセットの使用権の市場価値の低下にあわせて、その使用権を経済活動で運用することで、効率的に対価を稼ぐことができるようになると考えています。そして、このように効率的に稼いだお金を、使用権の所有量に応じて対価として払い、その使用権を減少させていくことにより、無駄に知的アセットの使用権が蓄積されるような状況を防げると考えられます。また、使用権のストック量を運用の際の発言権として運用することで、昔活躍した人の発言権が次第に減少していくような構造になり、現役で活躍している人たちの声が反映される運用になるものと考えられます。Coop Lightsにおいて知的アセットの使用権とは、貢献量でもあり、このように、蓄積された知的貢献に応じた対価の分配および貢献量の減価という機能性により、市場にあった適切な運用ができるようになるものと考えています。

Origin

ライセンスをつくるきっかけは、私が2008年にキヤノンを辞めた時の送別会の時に、上司の人と、開発者が作ったコードを勝手にGPL licenseにしてしまうGNUのやり方に反発を感じて、「Anti-GNU(ATG)というライセンスを作ってしまえば」、という話をしていたことでした。ソフトを開発した人が正当な対価を得られないことに対するアンチテーゼの意味合いがありました。開発者にインセンティブが発生する商用ライセンスをつくるという目的のため、パテントプールやMIPSのビジネスモデルを参考に、GNUのGPL、linux、gcc、make、git等のラインナップを大幅に超えるという目標を設定し、技術開発を進めてきました。

GNUは基本無料ですから、それに対抗して開発者にインセンティブが発生する有償なライセンスをつくるには、GNUよりも高品質・高付加価値な知的成果物を作る必要があります。高品質なプロダクトをつくるためにどのようなプロダクト管理をすべきかというのが一つの大きな命題でした。GNUはバラバラにつくられた機能群で、頻繁にブームに流されるところもあり、ある部分ではオーバースペックであり、ある部分では機能不足と、1つのシステムとしてみた時にあまり整合性がありません。そこで、一つのシステムとしてみた時、冗長性など無駄を省いた洗練されたシステムをつくることが、GNUに勝つために必要だと考えました。そのような観点から、GNUは要素還元主義的だとするならば、新ライセンスはホーリズム的な方向性を目指すべきと考え、冗長性を排して品質管理をするという方向性を提示するため、情報エントロピーを最小化する、という品質管理の指針で[A]アーキテクチャ設計、[B]コミュニティ設計、[C]ライセンス設計、[D]開発プロセスの設計をすることにしました。

A. まず、2010年に、ホーリズムによりアーキテクチャ設計することを決めて、技術課題や解決策の抽出のため試作を始めました。私がTea Partners Co., Ltd.を設立したのもこのタイミングでした。ホーリズムのアプローチで要求分析・設計分析したのが、2010年から2011年に試作したHTML5版のteaosで、同型写像によりさらなるレイヤ間の情報圧縮を狙ったのが2012年に試作したnode.js版のABC Inverseでした。この試作で、ハードからミドルウェア、アプリケーション、ウエブに至るまでレイヤを透過的にし、ソフトウェア部品の再利用性を高めるための透過的なプロトコルをベースとし、再利用性を高める軽量プロセスをソフトウェア部品の単位とした、自律分散型アーキテクチャの技術的な課題と解決策の抽出を行いました。マルチプラットフォームの移植性を考え、メモリモデルのようなプラットフォーム依存部を切り離して試作したかったため、実装言語はJavascriptを選択しました。

B. 次に、2012年に、コミュニティ設計や開発プロセスの設計をすることを決めて、技術課題や解決策の抽出のため理論つくりを始めました。このときの課題は、気持ちよく共同作業ができるクラスターを集約したコミュニティを形成し、その中で高い品質のプロダクトを協調してつくる仕組みつくりをシステマティックにすることでした。クラスターのコントロールに関して、人の心理・感情判定と情報エントロピーの密接な関連に着目して試作をしたのが、iineサイトでしたが、トラブル等により開発作業の継続やデータ収集ができなくなったため、SNS等を用いて、理論の検証をしていました。また、minetroperという行動規範に関する概念の定義を行い、LightOfSun構想という名前でガバナンスの設計などをして、コミュニティの管理技術の設計や行動規範の定義を行ったりしていました。

C. 2012年ごろには、技術的な方向性が決まったことや、SNSで興味をもった人たちがいたため、ライセンス設計にとりかかりました。LightOfSun構想が一つのチームに依存したような形態にならないよう、ルール部分をライセンスという形に切り離す作業をし、ライセンス部分をCopy Lightsと命名しました。この命名は、GNUのCopy Leftと著作権を表すCopy Rightを捩ったもので、RとLの要素の両方が含まれているという意味合いでつけたものです。後で気が付いたのですが、家の近くに「Right Light」という名前のバーがあって、無意識にその看板に影響されたのかもしれません。

D. 2013年には、開発プロセスや開発環境に関する作業を始めました。私が大学院の頃に逆問題を数理モデルを集合や作用素で表現する手法を開発したのですが、2007年頃に、その技術を応用して、集合をヒルベルト空間やアーベル群を用いて一般化し、開発プロセスに適用する開発技術の技術開発を進めていました。それをベースにしてプロトタイプをつくっていました。この時は、モデルを静的解析をしてソースコードを自動生成する系、いわゆるモデルコンパイラのみの実装でしたが、将来的に、バイトコード実行、シミュレーション実行、エミュレーション実行、コード変換をハイブリッド実行できる静的・動的混合システムを考えていたため、この時は、最終製品の言語にあわせてC言語で実装していました。

2014年には、teaos corenative ABC inverse、開発環境を統合するコアの実装をはじめました。teaos, ABC inverseは、メモリモデルに依存しないPIM実装から、メモリモデルを作りこむためのPSM実装にするため、C言語での実装となりました。同型写像アーキテクチャにおいてパフォーマンス、とりわけ、プロセスの高速化やリアルタイム性能が必要だったため、スレッドより高速な軽量プロセスという設計思想でRTOS部の実装を進めました。また、オフローダーの設計を考えた際に、ハード・ソフト協調設計が重要となるため、SystemCのようなエミュレーション・ブロックと結合が出来るよう設計指針を立てて作業を進めました。

2015年は、開発作業はほとんど手を付けられていないのですが、結合作業を進めながら、実際にコミュニティを形成するための準備作業を行っています。Copy LightsCopyという単語が、「パクリ」のような意味合いにとられるリスクを考え、単純なコピーではなく、知的成果の融合によるより高次な知的成果を目指し、それによる経済発展を目指すことを強調するため、協調のCoopertativeの意味とCopyの語呂を考えて、Coop Lightsと命名しなおしました。Coopには場を作るという意味のCool placeという意味も含んでいます。

Example

Asset登録のユーザインターフェースの例をみて貰えるとわかりますが、知的財産物の開発者がどのような使用条件で使ってもらってよいかを詳細に書き、それを必要な人に公開し、その条件に基づき契約し、利用し、その契約に基づき、インセンティブが発生するようにする、という構想です。設定可能な属性値の例に示したように、ある程度、汎用的な属性値が並ぶため、Open Rightというような標準インターフェースを決めて、全世界のシステム運用に反映させることで、普及を図るプランも同時並行で進めています。

Scope

Coop Lightsが考慮すべき項目は多岐にわたります。
運用をするにあたって考えなければならないことをざっくりと挙げただけでも、下記のリストのように非常に多岐に渡ります。

ビジネスを創るというのは、それだけ非常にエネルギーのいることなのかと思います。
私の考えはそのイニシャルコストを下げ、事業を作り出す際に、その事業における付加価値の創造に集中できる環境を作ることでもあります。

新ミネトロパー構想

新ミネトロパー構想は、2012年に考案したミネトロパー構想に、安心な場を作るというセキュリティなどの考え方を組み込んで新たに体系化して構想化したものです。「信頼性あるネット環境の実現に向けて」という新ミネトロパー構想のグランドデザインとなるドキュメントを書きましたが、以下、その全文を掲載します。

信頼性あるネット環境の実現に向けて

背景

1990年代から一般に普及してきたネットは、現在では、誰もが生活の一部として利用する重要なインフラになっている。当所、人が情報共有をしたり、ものを交易したり、コミュニケーションをとったり、単純作業を自動化したりといったことがネットに期待されたが、その多くの機能が実現されてきており、また、世界中で多くの人がそれらの機能を利用するに至っている。単純な機能的な側面が一巡してきている現在、全体を俯瞰して、よりよいネットとは何かを模索する時期に来ていると感じる。特に、ネットメディアは、マスメディアとしての対比として、マスメディアの受動的な面と、ネットの能動的な面から、多様性や主体性や自由度ある社会の実現のためのツールとしても期待されてきたが、その観点でみて、現状がどのようなもので、今後の発展がどのようなものであるべきかを考察する。

さて、普段接するネット情報について見回してみると、ネットの情報は玉石混合状態であり、情報のまとまりがなかったり、冗長であったり、誤った情報や悪意のあるデマが多く含まれていたりと、情報に無駄があり、また、情報の信頼性が極めて低い状態である。加えて、人は見たいものを見る性質があるために、視野を広げる可能性のあるネットが、気分の良くなる同じような情報を繰り返しみる行為を加速させ、逆に視野を狭くする現象も多く見受けられる。視野を広げる観点からみて関連する情報の効率的な取捨選択をする仕組みが十分でなく情報の偏りがある状態である。

次に、普段接するネット情報を扱う場について見回してみると、SNSやwikiやBBSなどの普及により情報共有の場は多く登場しているが、荒らしや煽動、誤った情報、悪意のある情報など、現実の場に比べて信頼性があるとは言い難い状態である。また、クラウドシステムを用いたビジネス解決ソリューションもたくさん登場してきたものの、一個人対組織という極めて不利な交渉の構図であり、また、各サービスの競争力や付加価値を乗せるような体系的な仕組みもなく、また、そのサービスの質や相手の信用性を担保する手段もないため、ビジネスプラットフォームとしては信用力が低く、常に価格崩壊の危機に晒されている状態である。

このように、ざっと考察すると、ネットメディアの信頼性が不十分であることがわかる。従来型のメディアであるマスメディアや専門書やマンツーマンのビジネスと比べてみても、個別はさておき、総体としてははるかに信頼性が劣っていることはいえるだろう。これらを鑑みて、ネットメディアの信頼性を向上させることが必要であり、ネットメディアの信頼性を向上させるには、1) 情報に無駄がないこと、2) 情報に偽りのないこと、3) 必要な人に必要な情報が届くこと、4) 必要な情報を共有・交換する信頼性のある場が存在すること、5) 取得した情報を元に高付加価値の事業を乗せること、が必要であると考える。

さて、情報の確定性や情報量を表す尺度として、エントロピーがある。情報が冗長であったり、偽りの情報が混入していれば、その情報は不確定的なものとなったり、情報量が増したりし、エントロピーを増大させる。また、前提知識のない人に対する情報は、それが如何に有益なものであっても理解不能なものであり、単なるノイズにしかならなく、一方で、既に十分に知っている情報は必要なものではないため、どちらにせよ、必要な人に届いていない情報は不確定なものであり、エントロピーを増大させる。また、コミュニケーションを伴なう場において、誤認をしたり、悪意のある煽動をする人がいれば、その場全体にデマが拡散されて、場のエントロピーを増大させる。エントロピーが高い状態というのは極めて信頼性に欠く状態であり、また、ビジネスにおける付加価値は信用と相関が高いため、ビジネスに不適切な虚偽情報や不正な情報が混入された場合に、その系全体のエントロピーが増大し、ビジネスの価値が大きく毀損する。このように、系において、エントロピーを減少させることが、ネットメディアの信頼性につながり、ひいては、情報の無駄をなくす、情報の偽りをなくす、必要な人に必要な情報を届ける、必要な情報を共有・交換する信頼性のある場をつくる、取得した情報を元に高付加価値の事業を乗せる、といったことに繋がると考えられる。

目的・手段

本稿では、ネットメディアの信頼性向上のために、エントロピーを減少させるという大指針に基づき、有効な施策を考察することを目的とする。

信頼性のあるネットメディアとは、

  1. 情報に無駄がないこと
  2. 情報に偽りのないこと
  3. 必要な人に必要な情報が届くこと
  4. 必要な情報を共有・交換する信頼性のある場が存在すること
  5. 取得した情報を元に高付加価値の事業を乗せること

とし、信頼性のあるネットメディアにおけるエントロピーを縮小させる手段として、

  1. 情報の体系化と圧縮
  2. 情報の信頼性の担保
  3. 情報の効率的な取捨選択
  4. 信頼性ある場の構築
  5. 商取引の信用力の担保
の観点から施策を考察する。

詳細はメンバー様のみとなりますが、興味をもたれましたら、ご参加ください。